正月はお餅を食べるので仮歯は控えるようになります。

　仮歯はひっつくものを食べると取れることがあります。だから、仮歯で正月を過ごす人はやむを得ない人だけに限定して、正月が開けてから本格治療再開ということになります。

　それにしても月日が経つのが速すぎる。ついこの間まで暑くて死にそう　って言ったのに…。

毎年のことですが（笑）、暑い日々がつづくと、なぜか歯が腫れて痛いという人が増えます。

　睡眠不足や夏ばてで体力が落ちる（免疫力が落ちる）のと、冷たい、甘いものばかりを口にして、そのまま寝るという、口の中の環境が悪くなる条件が重なるために、腫れやすい傾向があるようです。
　昼寝、夜寝る前には口の中を綺麗に磨いて寝ましょう。風邪でもないに、イソジンでうがい？と思われるかもしれませんが、意外とこの季節もイソジンでうがいすると、冷房をかけたまま寝てしまって起きる夏風邪も予防できて、いいかもしれません。

Ｂ級グルメフェスタ in 津山　大盛況？！というか大パニックでした。

　2010年3月20日、21日の土日、津山のグリーンヒルズで、おかやまＢ級グルメフェスタ in 津山が開催されました。
　宣伝をテレビや新聞などでハデにしていることから、地元でも、かなりヤバい雰囲気で、みんな戦々恐々としていました。
　結果として、やっぱり！！という状況になっていました。死人が出なかっただけマシ。市役所の人とか主催者側の人やボランティアの市民の負担もすごかったと思います。んでもって、クレームの嵐。なんとも報われない。

　私も、近くなんだけど自転車よか車でと思ったけど、周辺道路には駐車規制がかかっていて、しょうがないので、沼の津山歯科医療センターの駐車場に車を置いて、ひたすら歩いていきました。

　秋田のＢ級グルメフェスタの状況をネットであらかじめ情報を仕入れ、過去に他の地方で、こういったグルメ系イベントが行われたときの混み具合、混乱具合の経験から、今回の津山のＢ級グルメフェスタの混乱状態を予測。
　到底、あれもこれもまともに買えないだろうということで、前売り券も3千円と少なめに買い、狙った品だけを並んで買うという作戦で、妻と二人で遂行しました。

　もちろん、二時間以上、炎天下、雨天下、強風下で待つことを想定した装備で望みましたよ。それでも、３千円分の前売りチケットを使うのに精一杯でした。
　おそらく、なんの準備もしなくて、ただテレビのＣＭや紹介番組を鵜呑みにして、軽装備でやってきた県南や他県の人たちは、ひどい目にあったと思います。

　私も、若い頃は食い歩きに興味があって、近いところのグルメ・イベントには、いろいろと行って、苦い経験から教訓を得ていたわけで、その教訓を生かすことで、さほどダメージは無かったと言いたいところですが。。。

残念ながら、痛恨のダメージを受けました。

　どこの何を食べたらから歯が割れたとはいえません。元々、歯にひびが入っていて力をいれてかめない状態だったので、すべて私の自己責任です。
　パキッっと音がして、激痛が右の奥歯に走りました。すぐに口の中を洗って、歯をみても、自分の歯なのでよくわからない。けど、チュッと吸ってみると強い痛みが走ります。歯が割れて神経に達すると起きる症状なので、どうにもならない状況であることは、わかりました。
　そもそも、Ｂ級グルメですので、高級なサシの入ったとろけるような牛肉を食べるなんてことはありませんから、歯にとっては負荷のかかる堅い食べ物が多いってことです。

歯が割れたらどうする？

　とりあえず、私は歯医者というプロなので（笑）、歯がこれ以上強く当たらないように自分で歯を削り、痛み止めをのんで、しのぎました。
　歯髄（歯の神経：痛いとしか感じない神経しかないからやっかいなの）まで破折が及んでいるので、速やかにヒビを埋める充填治療をする必要があります。しかし、上の歯なので、自分で鏡を見てすることは非常に難しい。とりあえず、かみさんに手伝ってもらって詰めてみたけど、やっぱりダメ。
　もうずきずきしてきて、まったくかめない！

歯がかめなくなって一番にわかったこと！！

　もう、ぼろぼろですわ。冷たい水がしみるってのが、こんなに痛いものとは！！
　患者さんが、うなって来られる理由がわかった。
　今まで、親知らず抜いて、尿路結石で悶絶して、痔瘻とその手術で噴悶して、ぎっくり腰でなんども動けなくなって・・・　痛いことはそれなりに経験してきたけど、歯が痛いのは、脳に近いだけあって、やっぱり痛い。特に、痛み止め（ロキソニン）で効かなくなると、マジで痛い。当然か（笑）。

で、歯医者にかかる

　歯医者の歯はどうするのか？　はい、他の歯医者で治してもらいます。

　で、私も某先生に泣きつきました。現在、歯の神経をとってもらい（抜髄）、かぶせ（ＦＣＫ）を入れる予定で通院中です。かぶせ（ＦＣＫ）は自分で作る予定です。
　自分で作る補綴物はもちろん保険の金パラ（キャストウエル）の予定。理論上（歯科理工学的に）は、割れた歯には、噛んだときのショックを和らげる軟かいゴールド（自費）がベストなんですが。自分に入れても一円にもならんしなー。金価格も高騰してきて・・・。

　うーん、痛いのが無くなると、なぜかハイテンションになる患者さんが多いけど、私もハイテンションになった。うんうん。わかる。その気持ち、手に取るように、わかるぞ〜！！

　誰に治してもらうか？　これは結構悩むセンセも多いんじゃないかな？。なにぶんにも、内情、腕の善し悪しを知り尽くしているプロ同士なんで（笑）。それに、歯医者ってのは、自分が一番上手いと思っている（私なんか）んですよ。だから難しい（笑）。
　今回、生まれてはじめて歯の神経をとって（抜髄）、かぶせるという治療をしていただいているわけですが、私が患者さんにやっていることを、自分もされてみて、学べることが非常にたくさんあります。

自分の歯の治療の経験を生かします。タダじゃ起きませんよ。

　私は、患者さんから、自分のやった治療のあとの経過を聞いて、あるいはお叱りをうけて、それらを一つ一つ検証し、フィードバックして、自分の臨床治療技術やノウハウを磨いています。

　今回の治療体験は、たとえば、学生時代に臨床実習の実験台としての治療、あるいは子供の頃の治療の経験とかとは、まったく別の次元で、フィードバックができています。

　日頃、私がやっている抜髄（割れた歯の神経を取る）して、根管充填（根の先を詰めて）して、ＦＣＫをセットする（歯が割れにくいようにかぶせてしまう）という、一連の治療作業をやってもらうということを自分にしてもらって、その患者側になれる。このチャンスはかならず、生かします。

で、歯が割れたら？

　口の中をとりあえず、綺麗にして、破折している歯を特定して、速やかに予約を入れてください。
　完全に真っ二つに割れたり、大きく歯が欠けていない限り、ヒビ程度なら、神経を取って痛みを取り、かぶせることで、100％は無理だけど、抜かずに使える歯にまで修復することは可能です。
　痛みは、当てないように、かまないようにすれば、いったんは収まることがありますから、慌てることはありません。ただ、とどめをさすように堅いものを割れた歯で噛むことだけはしないでください。（通常は痛くて噛めないんだけど、酒を飲んでいるとしびれているから、うっかり、やっちゃう）

　最近は、虫歯が無くても、私のように歯が割れて神経を取ってかぶせるという治療になることがよくあります。何でもかめる、堅いものが好きという人は、歯医者で定期的にチェックをしておきましょう。

毎年のことですが、ＧＷ前に、痛い歯をなんとかしてくれ　という予約が増えます。

　緊急性のあるものについては、痛みを止める努力をします。でも、単純に詰め物が取れただけとか、とくに問題がない場合は、仮封（仮に詰めておくこと）とかで、大型連休が明けてから、本格的に治療をしていくということになります。

　今回、自分が治療をしてもらって、仮封、仮歯など、不安定な状態で過ごすことで、いろいろと学べました。やっぱり、連休中、治療中の歯の仮封が取れたり、歯が割れてしまったりしないように、用心していただくのは、もちろんですが、避けて噛むのに失敗して、すこしくらい噛んでも壊れないように、封は厚めに丈夫にしておくことにしています。

やっぱり、餅を食べると、詰め物がとれますね。

　ひっつくものを食べることの多い正月は、取り外しのいればが壊れたり、歯のかぶせや詰め物がとれることがあります。
　ですから、正月明けのこの時期は、二週間先まで予約が埋まってしまうことが多いんですが、今年もそんなかんじです。

歯の詰め物がとれたら・・・

　万が一痛みがある場合でも、イソジンガーグルなどでうがいをすると痛みが軽減することがあります。
取り外しのできる入れ歯では、原則餅は食べられません。あくまでも自己責任でお願いします。

　堅いお餅は、歯やあごを痛めるだけでなく、窒息死亡事故の原因になっています。こんにゃくゼリーの窒息事故より、桁違いに危険な食べ物です。お互いに気をつけましょう。